世渡り達人ジョーの意外な転職先

2016/12/30 13:05:40 | 日記 | コメント:1件

筆者が香港にいた頃の知り合いのカナダ人ジョー・アトルーが来年から仕事が変わるというメッセージを送って来た。へえ、あれだけ待遇が良い会社を辞めるなんてねえ・・と驚いた筆者は奴のメッセージを読んでみたところ、なにやら世界経済の動きに微妙な変化が起こりつつあるのでは・・という疑念が頭をよぎったのである。

このジョーは筆者と同じ年齢ながら元々はアーサー・アンダーセン所属の公認会計士というエリートで、米エンロンの粉飾決算への関与で2002年に会計事務所が破綻して所属会計士に莫大な損失請求が寄せられる数年前に(訴追へのギリギリのタイミング)会計事務所を辞めて何と香港にやって来たのである。

1990年代のクリントン政権というのは米中経済パートナーシップが本格化した時期であり、中国への中継拠点として最適なタックス・ヘイブン香港はそんなアメリカ企業にとっては拠点を置くのに極めて便利な場所であったため、アメリカの企業が続々と香港に進出して来たのである。





ジョーが最初に勤めたのは筆者が営業担当を務めていたアメリカ系電機メーカーで、これはエリート会計士ジョーにとって見劣り感のする職場に思えたのだが、本人が「中国ビジネスを覚えるのにこの会社以上に便利なところは無いのだ」と言う通り短期間で中国工場を立ち上げたり、中国国内への販売ライセンスを巡って政府の役人と丁々発止の交渉を繰り広げるなど短期間に中国関連の経験を積んでいったのである。

電機メーカーでは最後は香港支店長を勤めるまで順調に出世し続けたが、2000年にジョーは突然アメリカ系投資顧問会社の香港支店へと転職したのである。これ今じゃ驚かないが当時は世界の相場はいつブラックマンデーが来てもおかしくないと思われるほど限界にあると思われていたのだが、イラク戦争以降のアメリカのドル印刷ペースを見ればお判りの通り実際の経済の流れはジョーの予想の方が正しかったのである。

この投資顧問会社でもジョーは副社長まで出世したのだが、2007年に母親が病気という理由で会社を突然辞めてしまい、皆さんよくご存じの通りこの翌年リーマンショックがあったわけで、ジョーの会社は案の定大打撃を食って社員たちは血反吐を吐くまで追い詰められた挙句に解雇されたというのに、ジョーは2年ほどカナダ・ケベック州で奥さんと子供を一緒にガーデニングの腕に磨きをかけただけだったのだ。





そして2009年に香港へと戻って来たジョーが入ったのは何とアメリカ系カジノ会社なのである。もちろんサイコロを振ったりカードを配っているディーラーではなく、マカオの資金運営部門にいて毎月ウン百億円の上がりを更に転がす仕事なわけだが、ここでも如才無さを発揮して3年くらい前に執行役員に就任していたのだ。

有象無象の顧客たちに気を使う必要もなく、週に一度ラスベガスの本部に運用状況を報告する以外は特技の投資に専念できる気楽な職場だったはずなのに(こいつにとっては仕事はゲームの一環だから楽しいのだ)、それにJPモルガンの香港支社長と並ぶほどの高給取りだったのに何故ジョーは今回辞めることにしたのだろうか?しかも・・・、ジョーの転職先はアメリカのテキサス州ダラスにある不動産投資会社なのだ。

あれだけ目端が利く男だからそこにはちゃんと勝算があっての事だろうし、実際今までのジョーの立ち回りを見れば彼の選択は常に正しい事は判るのだけれども、都合20年も過ごした香港を捨てるということは、しかも今やラスベガスを超えて世界一の売上規模を誇るまでなったマカオのカジノを辞めるという事はひょっとして中国で何かが起こるという事なのだろうか?





だいいちアメリカの不動産というのは筆者の目から見ると随分と値上がりしていて既に限界に近いように思えるのだが、しかしアメリカ第一を挙げる次期トランプ政権は大量のドルを刷ってそれを国内投資に回すだろうし、それに金持ち減税も実施されれば海外に資金を回す必要性は減るのだからテキサス州などアメリカ南部の不動産はもっと天文学な額になるのかも・・とも考えられる。

しかし(書き忘れたけれども)ジョーの奥方は中国系カナダ人で香港ライフを相当エンジョイしていたはずだから、いくらトランプが何を言おうがまだ就任もしてないのに香港を引き払うというのは時期尚早な気がする。ということはやはり・・中国の経済崩壊が始まってアメリカの資金が中国から一気に引き上げるような事態になる・・という事なのだろうか。

もちろんそんな事ジョーに聞いても切れ者の公認会計士よろしくの沈黙を冷笑と共に返されるだけである。しかし誰が何を言ったかよりも何をしているかに重点を置く筆者は「これはひょっとして中国だけでなくアジアの米びつが空になる事態が来るのかも・・」というお告げではないか・・と思い始めた。どうも来年1年の相場関係は様子見に徹したほうが良さそうだ。






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コメント

中国銀行大量解雇

2016/12/31(土) 11:41:25 | URL | 浅野 #-
すごいですね。中国の銀行がリストラで大量解雇です。もう一波乱あればちょっとした経済恐慌ですね。

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