間違いだらけのホロコースト信者

会食の際に政治と宗教の会話はタブーというのは世界の常識で、筆者もその教えを忠実に守って来たのだけれども、中にはイスタンブールのムラット君のように自分が帰依したイスラム原理主義について延々と話し続けてウンザリさせられるようなケースもあるものである。

筆者の経験だとインド系、アラブ系の他スラブ系もこの傾向が強いらしく、モスクワでは共産主義の暗黒時代について無数の小話を聞かされた後に飛行機に飛び乗ってポーランドに行ったら、顧客に第二次大戦中にドイツ軍が行ったワルシャワ破壊行為を証左する歴史博物館に案内されてしまったことがある。

しかし実は筆者はこの手の問題に関しては他の人よりも多少詳しいので、同行した同僚の死んだ目をものともせずに客と長話を決め込むのだが、一度ニューヨーク在住のユダヤ人ジャック・エイブラハム氏とホロコーストの話をしたときには正直筆者はかなりゲンナリしてしまった。

ユダヤ人と親しくされた方なら彼らが如何なる場でもホロコーストの話をしない事はよくご存じだろうが、なんでジャック・エイブラハム氏とこの話題になってしまったのかと言うと、当時彼はニューヨークのユダヤ人協会の理事の地位にいて、筆者の会社は毎年末にこの協会が出す出版物に多額の寄付をさせられていたからである。

雑誌の半ページに「日本の〇〇株式会社は貴方たちの活動に賛意を示すとともにホロコーストの犠牲者に対して深い哀悼の意を・・」という文字だけの広告を印刷してもらうだけで1万5千ドルも払うのだ。この会社は値段に厳しく利益が出ないため筆者は寄付など止めたかったのだが、並み居る日本企業がズラリと寄付しているから筆者の一存では反故に出来ない。





それで新しく営業担当になったが「こういうのはもうそろそろ・・」と言い出した筆者相手に、このユダヤ人協会の存在の意義と「なぜあなたの会社は1万5千ドルを払わなければならないのか?」の義務についてエイブラハム氏は説明を始めたのだが、これが聞いていて実に呆れかえるような代物だったのである。

君はツカハラを知ってるかね?日本の外交官でユダヤ人にビザを与えた・・とエイブラハム氏の話は乗っけから人名間違いで始まり、シンドラーが救ったのは五千人でツカハラ(杉浦千畝のこと)は五百人と救った人数までもが間違っているのだが、まあ遠い日本の事など間違っていても仕方はないな・・と思ってこの段階では黙っていたのである。

ところがエイブラハム氏の父親が生まれ育ったポーランドを統治するためドイツから派遣されて来た総督の名をハインリヒ・ミュラーと言ったり(正式には総督は弁護士出身の文官ハンス・フランクで、ミュラーは秘密警察ゲシュタポ長官でありずっとベルリンにいた)、彼の祖父をその場で射殺し家族を強制収容所に送ったのはナチス親衛隊(SS)のはずなのに、彼の話ではなぜかドイツ国防軍になっているのだ。

ナチスに詳しくない方のために一応説明すると、ホロコーストを実施したのは親衛隊(SS)で、この隊員たちは後年国家保安本部(RSHA)など色んな政府機関に浸食したため党機関と政府機関が混同しがちになるのだけれども、親衛隊とはあくまでナチス党所属の党機関であり、ドイツ政府の政府機関であるドイツ国防軍とは全く別の存在なのだ。

前線に立って敵軍を蹴散らかすのはドイツ国防軍の任務だが、敵国占領後の治安任務とユダヤ人狩りを行ったのはSDやアインザッツグルッペンら親衛隊という様に組織の棲み分けが出来ていたのである。ところがエイブラハム氏の頭の中ではドイツ国防軍に殺害・拘束された事になっているのだ。(続く)





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