鉄道オタクの品格

大学時代のY先輩は鉄オタ、いわゆる鉄道オタクで、家業の酒問屋の仕入れのため札幌に行くにもわざわざ新幹線乗って大阪のサントリーに行き、そこからトワイライトエクスプレスに乗って北海道のニッカウィスキーを回り、そしてわざわざやっととれた予約のために札幌で何日も時間を潰しカシオペアで帰ってくるような方である。

しかし昨年だか一昨年のトワイライトエクスプレスとカシオペアの廃止からY先輩は大変無念の日々を過ごしていたのだが、ニュースでJR西日本の瑞風とかいう豪華クルーズ列車がお目見えしたことを聞いた筆者は早速「良かったですね」とメールを送ったら、その晩メッセンジャーのビデオ電話がかかって来たのである。

「あんなのはな、ちっともお目出度くないのだ」と不機嫌なY先輩。それは一体どうしてですか?と聞いたら、鉄オタって人種は狭くて不便な夜行寝台車に情緒を感じるものなんだよ、あそこまで豪華な列車は俺たちの原点に反する存在なの、といつものノンビリした感じとは打って変わってご立腹の様子である。





これが薄給サラリーマンの負け惜しみなら理解できるのだが、年収ウン千万円のY先輩にとっちゃ瑞風の運賃50万円なんて屁みたいなはずである。という事はこの人にはA寝台とかB寝台といった決して広くもない寝台でゴトゴト揺られながら旅をすることに価値を見出しているようだ。

確かにそう言われてみるとY先輩の口から豪華クルーズ列車の先駆けであるJR九州の「ななつ星」の名前を今まで聞いた事が無い。それで試しに「じゃあ九州の方もお気に召さない・・」と聞いたら、「そうだよ。それになぁ、オレはななつ星の九州一周ってルートが気に入らないんだ」と筆者の言葉を最後まで聞かずに遮る。

Y先輩によると鉄道とは何処かへと行くためのものであり、同じ場所に戻ってきてしまう一周というのが気に入らない!と言いはるのだ。でも・・だったら途中下車すればいいだけだし、それに鉄オタってのは鉄道にゴトゴト揺られていれば何処へ行こうが幸せなんじゃないんですか・・と思ったが、「あと一周ルートだと経費で落とせないんだとな」と言い出した。





筆者は税金の事は詳しくないのだけれども、Y先輩の言った事をそのまま書くと大阪→札幌とか東京→出雲など出発地と到着地が別々の場合はスイートだろうがB寝台でも出張旅費として計上できるけれど、ぐるっと回って元に戻る一周ルートは出張費用として見なされないのだそうだ。なんか急に話がセコくなってきたな・・。

「俺の入ってる鉄道クラブの面々はみんな自営業者で、みんな経費で落としてたんだよ。ところがJR九州も今度のJR西日本の瑞風もみんな一周コースだろ。だから俺たちはああいう列車にゃ乗らないの」と断言するY先輩。なんかこのセーフとアウトのラインは判ったようで判らない。

じゃあ鉄オタにとってどういう路線がベストなんですか?と聞いたところ、それはカシオペアの復活だけれども、青函トンネルの電気系統がどうのこうので札幌には入れないから・・、やっぱり東京→鹿児島にサンライズ△△型で座席は全部ツインにして、食堂車とラウンジは○○系を改良した・・と長い事説明し続けるY先輩。何でもいいけど早く終わってくれないかな・・。






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年収んっ百万で四苦八苦している、日本人中年がおおいなか、ん千万… うらやましい話ですね(笑)

経費で落とす。=自腹を切らない。これも高収入の道かな。

鉄道オタク、オタクですから、懲り方、価値観は、オタクでなきゃ判断できないと。

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