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一世一代の賭けに出た根の優しい男

パナソニック社の社員90人が取引先から過剰な接待を受けたという理由で降格処分を受けたというニュースを見た時に「松下は相変わらず厳しい会社だな」と思わず納得してしまった。なんでも同社の部品調達部門の社員90人が中国など海外に出張した際、同社に部品を納める複数のメーカー担当者らからのべ2千回以上、飲食などの接待を受けていたのだそうだ。

実は筆者も香港支店に勤務していた頃はパナソニックとは取引があったのだが、この会社は当時の香港では異例中の異例とも言えるほど接待には厳しい会社で、筆者は何十回もパナ社の調達担当者をお誘いしたものの食事をしたのはたったの1回、しかも最後は割り勘になってしまったのだ。

今でもそうだろうが本社の目が届かない香港では調達担当者は取引先払いで酒池肉林にふけるのなんて当たり前であり、取引先と一緒に飲み屋に行って払ってもらうどころか、自分一人で尖沙咀東の超有名ナイトクラブに出かけて、そこの飲み代と連れ出し料を取引先にツケなんてのは常態化していたのだ。

それで月末になると筆者のもとにナイトクラブのママから利用者の名前が書かれた請求書が回って来るわけだが、そこには毎週欠かさず3回、しかも一人じゃなくて二人連れて帰る強者や、仲間数人と連れ立って来たらしく一晩で五十万円使った阿呆が居たために経理処理に大変手間取った覚えがある。





まあそこまで女好きでも金欠でも無い相手でも案外すんなりと受け入れてくれたのは旧正月休みの時の家族旅行券とか高級ワインを(当然会社ではなく)自宅に送りつける方法で、相手に警戒心を植え付けずにさりげなく筆者の会社にシンパシーを感じてくれるよう奥さんや家族を巻き込むのはなかなか効果的であった。

しかしこういう費用は何倍にもなって結局向こうの買値に反映させるから結局は接待する側が勝つ仕組みになっているのだけれど、向こうもだんだんと調子に乗って来ると酒や女だけでなく現ナマを寄こせ!と言い出すのが人間と言う生き物で、仕入れ金額の3%のバックマージンとかライバル社から切り替える謝礼金にステップアップ(?)するのだ。

金額が十万円とか二十万円なら現金で渡せるが、それを上回るとこっちの都合上銀行を通さないといけない!となると万が一裏金を貰っていると疑われて通報されるとアシが付くから、銀行口座はアンタの奥さんのお父さん名義にするとか、香港域外のマカオの銀行に口座を開いてくれ・・という所まで入れ知恵をする訳である。

こうなるともう犯罪だから相手には負い目が出来てしまう訳で、それにつられて向こうの買値もズンズンと上がっていくのだけれども、こっちが困るのは相手が無事任期を終えて日本に帰任すると一切合切が「ごわさん」になってしまい、後任者から「ウチの買っている値段はちょっと高くありませんか?」と言われて再び振り出しに戻る事であった。





しかしそんな筆者でさえ「これはいくら何でも・・」と躊躇したケースがある。それは元ヤクルトスワローズの古田選手に似た大手メーカーX社の商品開発屋からの申し出で、ふだんはごくごく真面目で大人しい彼がある時切羽詰まったような表情で「オタクの会社の資材を使い続けるように選定するから、その代わり毎月3万元(当時のレートで36万円)をずっと自分の指定した口座に払い続けて欲しい」と申し入れて来たのだ。

ちなみにこの選定を最初にしてしまうと設計上の理由からX社がライバル社に仕入変更するのは無理なのである。つまりX社のその商品、それとモデルチェンジした後継機種が続く限り筆者の会社の部品を使い続ける訳で、その商品の将来性も結構見込めたから計算上は悪くない裏取引なのだが、筆者が問題にしたのはその時間軸の長さだ。

これが一回きりの支払いで500万円とか1000万円なら迷わず了解しただろうが、仮に商品がロングセラーとなって20年以上も払い続けるとなると億に近い金額になるし、それに筆者の会社だっていつ何時こういった裏金作りにストップをかけるか分かったものではないから、とてもじゃないが継続的に・・と言うのは出来ない!とお断りを入れたのだ。

そうすると古田氏は「そうですか、分かりました」と言ったきり黙り込んでしまい、それにこっちも別の取引があるから古田氏の申し出は公にせずに沈黙を守ることにしたのだけれども、数か月後にX社は資材調達先として筆者のライバル会社を選定したことを知り「あの条件を呑む会社がいたんだ・・」と驚いたのである。





その後古田氏は任期が切れて日本に帰国してしまい、時々香港やヨーロッパの展示会で顔を合わせて立ち話をする程度の付き合いになってしまったのだが、それから暫くして彼の次の次の後任として深センの開発センターの親玉に収まった男から昔の深セン駐在員たちの私生活ぶりを聞いた時に、なぜ古田氏が継続的な支払いに拘ったのかを知るヒントが聞けたのである。

なんと不倫関係にあった中国人女性との間に子供が出来たと言うのだ。当時の深センは安全上の理由から単身赴任が原則だったために駐在員たちは現地の女を金で囲うのが常態化していたのだが、ふつう囲った女が妊娠したなら迷惑料を積んで堕ろせば良いものを根が優しい古田氏はそれが出来なかったんだよ!と聞いたのだ。

この話を聞いた時にオドオドしていて、ぎこちない態度で筆者に申し出をする古田氏の姿を思い出した。そうだったのか・・。だからあんな慣れないことを・・。女と子供の養育費のために一世一代の賭けに出たってことだが、その前には相当苦悩したに違いない。支払う側にとって時間軸がリスクになるところまで知恵が回らなかったんだな・・。

さてこの話は今から十年近く前の話だから、古田氏の隠し子はもう小学校の高学年になっているはずである。古田氏と中国人の愛人の関係は今でも続いているのかどうかは筆者は数年前にリタイアしたから知る由もないが、彼が開発した商品は筆者が住むマニラの量販店で今でもショーケースに陳列されている。






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写真みたいな化粧する女性って、本当に化粧がヘタな気がしてノレない。50ペソくらいの香水がプンプンしているともうダメ。


フィリピン人の子は、化粧無しの天然(?)のほうが魅力的に見えるんだけど如何でしょうか。

それにしても本記事ですが、やはり間違いなく自分の子となれば、育ててやりたいという親心があったのでは。自分だって、現実にそうなれば、オロスという選択肢を取れないかも。

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