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壊れちゃった女たち

筆者の周りには若いころタイに来て娼婦と深い仲になり、そのまま結婚してしまった人間が二人ほどいる。一人は筆者より3つ年上でさる企業のチェンマイ事務所に勤務するT氏で、彼は娼婦と言ってもその中で最も熾烈で悲惨な冷気茶室の女性をパートナーに選んだのだ。

周りのいかなる説得に対しても「俺は過去は問わないよ。あいつがそばに黙っていれるだけで幸せだからな」とT氏は反抗し続け、ついにご両親との関係さえも絶ってしまったのだが、筆者ら仲間はたとえ娼婦であろうとも一人の人間である!という彼の姿勢に凛とした気高さを感じていたのだ。だから今でも彼の結婚を茶化す気にはならない。

しかし筆者はT氏とはその後別件でちょっとしたイザコザがあって結婚式に呼ばれるどころか全くの疎遠になってしまったのだが、ちょうど筆者が会社を辞める4年前に偶然にもFacebookで彼の名を見つけ、退職記念のタイ旅行でチェンマイに寄った際に実に22年ぶりに再会したのである。

挨拶もそこそこに昔話に花が咲きはじめ、T氏は高校生の息子と娘のパパになっていて「上の息子が全く手を焼くやつでね・・」と世界中の父親同様に頭を掻きながら苦笑していたのだが、しばらく彼の話を聞いているうちに奥さんの話題がポッカリと抜け落ちていることに気がついた。





それで息子というのは何処の家庭でも同じですよ!でも娘さんが素直なのはお母さんがしっかり見てるからでしょう!母と娘ってのは仲が良いものですからね!と話をそっち方向に振り向けたところ、T氏はちょっと黙り込んだ後で「実は子供達が大きくなる前に離婚したんだよ」と言った。

事が事だけにあまり詳しく書けないのだが、結婚した当初は奥さんとは仲睦まじく生活していたのに、子供が生まれてチェンマイに大きめの家を買い、T氏の生計基盤も安定していくに連れ奥さんの奇矯な行動が目立つ様になり、また一体何に使っているのか不明な借金を方々でこさえるようになってしまったのだという。

何度言っても改善するどころか悪くなるばかりなので、ついにT氏は奥さんを病院に連れて行ったところ、医者はある精神病の病名を告げた後でポツリと「この人は壊れています」と言ったそうである。それからしばらくして奥さんは子供達も捨ててタイ南部の方へと出奔してしまい、弁護士を通じてついに数年前に離婚手続きを行ったというのだ。

さて実はT氏の話を聞いている間じゅう、つい数日前にバンコクで再会した大学時代の後輩Jくんが話していたこととあまりにも共通点が多いことに驚いていたのである。J君も学生時代にある一人のタイ人娼婦と深い仲になり、J君が卒業後わずか3年でバンコク駐在になったのを契機に正式に結婚したのだが、やはり子供が生まれて大きくなっていくに連れ奥さんの中で何かが壊れて行ったのだという。





家の中のものを壊すだけならともかく、突然何日も家から消える、クズみたいな男の影とバクチとクスリ・・、金やモノは十分足りているのに盗みや詐欺で警察の厄介になる、そして度重なる自傷行為が続き、やがてある日突然娘を置いて忽然と消えてしまったと言ったのだ。(なお娼婦にもいろんなタイプがいるが、この日記に書いた二人は自分の意思で娼婦になったのでは無く、十代半ばで親に身売りされた一番悲惨なケースであることを付け加えておく。)

苦海から脱出してやっと人並みな幸せを掴んだのにも関わらず、その幸せがだんだん大きく強固なっていくに連れ彼女らの中で何かが弾け、そして全てをぶち壊して消え去って行く。ある医者はたとえ精神病患者でも彼らの精神にはある一貫した論理性を見つけることが出来ると言っていたが、凡人の筆者にはいくら考えても答えは見つからない。

しかし小さい頃にダッハウかブッフェンヴァルトのナチ強制収容所に閉じ込められていたユダヤ人女性のその後を追った海外ドキュメンタリーの中で、死や虐待、裏切りなどを幼児期にあまりにも見過ぎてしまったために成人して家庭を持っても適応できず、ついに子供達から感情のない冷酷な人間と蔑まれて家庭崩壊してしまうルポを見た時に、これでは無いか・・と思った。

おそらく友人の妻たちも結婚当初は良き妻良き母になろうと思っていたのだろうが、幸せが現実に目の前に来た時にそれをどう解釈するか、あるいはどう受け入れていくか・・というソフトウエアが過酷な少女時代に歪められ壊されてしまったのだろう。人間は誰もが幸福になる権利も能力もある!と筆者は思ってきたが、友人たちの残酷な現実を思い返すたびに筆者はなんだかやりきれない思いになってしまう。






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ピーナとも相通じるね 

ジャバ雪で日本の飲み屋で働いていた元高校生か大学生中退の輩。
結婚して数年したら離婚したり、男を変えたり子育てもいい加減。

あんまり、日本ではピリピーナの評判はよろしくはないですよ!

成る程 

原因も判らず自傷行為を繰り返したり、自殺未遂を何度も企図する人達の動機は「安心」と「生の実感」を求める為。
…と、聞いた事があります。自分を痛めつける環境で自我を確立してしまった人は、一般的な「幸せ」の中に身を置いても、自分が自分でない様な…生を実感できない離人症的な精神状態に苛まれるのかもしれない。
自傷して己の流す血と痛みを感じて、やっと「自分は生きている」と安心してしまう哀れな人々の様に。

だから戦争は無くならない 

人間って本質的には平和に耐えられないように出来てるんじゃないですかね。
争い事が嫌いな僕でも、世の中みんなお釈迦様や聖母マリアみたいな人間ばかりだったら、と想像しただけで吐き気がします(笑)。
幸せ全開の映画など観たくもないし、事件にしても津山30人頃しみたいな、おどろおどろしい物であればあるほどそそられる。
親に売られ、毎日毎日、何人もの男を相手にしてきた女なんかは、僕らにとって極々平凡な日々でも、発狂する程の平和が眼前に茫漠と広がっているのかも知れません。そして、人によってはこの平和、厄介な事に退屈とほぼ同義なんですよ。
彼女らには、怪談を聴いたり、凶悪事件の報道を目にしたくらいじゃ到底間に合わないんでしょう。

もう退屈で退屈で!!

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