ユダヤ流ニセモノ駆逐法

その昔筆者が営業マンをやっていた業界ではニセモノ(コピー商品)が大きな問題になっていた。ふつう正規品の場合は工場出荷コストの4倍が小売価格という流通構造だが、ニセモノは商品開発費や広告費はタダ同然だし流通はバッタ屋と同じ構造なので小売価格は高くても3倍、下手すると2倍まで抑えられるのだ。

しかも部品は香港・中国でいくらでも手に入るし、それほど作るのが難しい商品では無いので正規品とニセモノの差別化はチョット見では大変難しい。それで多くの顧客と会うたびに「なんか良いニセモノ対策法は無いかね?」と良く聞かれたものである。

この時筆者は必ず「だったらアナタ自身の手でニセモノを作って売り捌いたらどうか?」と言ったのだが、大抵のお客は「お前バカか?」とソッポを向かれてしまうのがオチだった。でもこれって筆者のお客の中でも最も知恵者のマギット社長から聞いた方法なんだよね。





マギット社長のやり方はこうだ。ニセモノを駆逐するためにはまず全くマギット社長とは繋がりの見えないダミー会社と信頼の置けるマネージャーを用意する。そしてマギット社長の自社工場で作られた正規商品の一部をダミー会社に利益ゼロで渡し、マネージャーに如何わしい裏の世界へと売り込みに行かせるのである。


「これは最新モデルじゃないか?」「それにモノも上質だぞ?」と訝しげに聞く如何わしいニセモノ商人。ええ、俺の弟があそこの商品開発部に勤めてまして正規品発売前にデザインが入手できるんですよ・・と説明すれば案外すんなり買ってくれるらしい。大企業とは違ってニセモノ業界は取引先の素性などじっくり調査する余裕などないのだ。

こうしてニセモノ商社を何件も当たっていき、売り込みを1年も続けていれば他のニセモノメーカーは利益がいる分だけ単価が高いし、それに新モデルの出荷タイミングだって遅いから黙っていても駆逐されてしまう。それでニセモノ流通の注文は一気にマギット社長のダミー会社に集まることになる。





それとニセモノ商社の連中と話をすれば、ウィーンやドバイのナントカ商会とか、マイアミやロサンゼルスから中南米にかけてのルートなど世界各地の顔役の話が漏れてくるので、それを聞き耳逃さずに覚え込み、じっくり時間をかけてコピー商品の流通網を把握していくのである。

そして世界中で氾濫しているニセモノの三分の一くらい賄うようになったら、ダミー会社を突然と閉鎖し、EUやアメリカなどちゃんとした国に対して輸入手続きの差し止め依頼をする、あるいは訴訟に持ち込むなど一気に攻勢に出るというのだ。

こうなると相手は完全にお手上げである。金を払った品物は税関で止まってしまえば資金も商品もショートしてしまうし、おまけにお尋ね者になる可能性があるので暫く姿を隠さなければならない。一旦ブツの流れが途切れれば廃業になるのは何処の世界でも同じである。




筆者は文章力が無いので補足するが、弁護士にいくら金を注ぎ込んでるだけだったらニセモノ商人達は痛くも痒くも無い。だから彼らを絶滅させるには奴らのチャンネルに自ら手を突っ込んで彼らの流通網を破壊するしか方法が無い。これはマギット社長の祖先である東欧のユダヤ人たちが昔からやっていた手法なのだそうだ。

それで浅はかな筆者は中国人に問われる度にマギット家の虎の巻を伝授しようとしたが、目先の利益に拘りがちで抽象的な概念が苦手な中国人にはこのコンセプトがイマイチ近い出来ないらしく前述のように「お前はアホか!」で終わってしまうのである。

中国人が理解できないということは、これは真っ当な作り方で世界にモノを供給しながらもニセモノ(大部分は中国・韓国製)に苦しむ日本企業にはチャンスである。なのでもしもニセモノに苦しむ日本企業の方がおられたら是非とも東欧ユダヤ人直伝のこの方法をお試しあれ。






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そこまでやるなら、最後のプランを変えるべきだと。

例えば、色々な方法で、シリアルNo.を各製品に打ち込む。

本物から作った偽物にもシリアルNo.を打ち込む。そして、情報管理。

これをやれば、偽者の流通経路どころか正規の顧客の忠実度まで解る。

最終的に、偽物の価格を2倍x2.5倍位まで、抑えて利益を出す。

すれば、世界シェア、本物4割、偽物5割とかなって、トータルで考えれば、大きな利益になることは間違いなし。本当の世界制覇ですよね。

ようするに、偽物市場をつぶすので無く、偽物市場を利用して、トータルの売り上げを伸ばそうということ。

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