謎の教団の意味深な紋章

先日の日記でフィリピンの新興宗教団体イグレシアス・ニ・クリスト(略章ING)はキリスト教系なのにクリスマスを祝わない・・とこの教団の奇妙さ珍奇さについて書いたが、先日女房の従姉妹フィリンとこの教団について話していたらこの理由がなんとなく分かった。

三位一体などの小難しい宗教用語は省いて説明するがつまり原点回帰なのだ。世界宗教早わかりみたいな本を読んだ方ならご存じの通り、現在のキリスト教の体系作りをしたのはイエス・キリストより30年後に死んだパウロであり、宗教学者によればイエス本人の頭の中身は実はユダヤ教の枠から一歩も出ていなかったそうなのだ。

日本でも2代目か3代目と呼ばれる御仁が礎を築いたのに、なぜか初代が何もかも行ったのだ!初代こそ偉人なのだ!と祀りあげた会社とか政治団体、奇妙な国家や天皇家なんてのがあるが、キリスト教は正にそれと同じで、イエス・キリストは死後いろんな言ってもやってもない偉業を付与されて文字通り「復活」したのである。





しかし当然キリスト教内の分派が繰り返されて、各分派同士の神学論争が盛んになればパウロ色を一掃した原点回帰派というのが出てくるわけで、この連中は根本主義とか原理主義とかいろいろ呼び名は有るけれど、エホバの証人と同じようにINGはその一つという事らしい。

イエス・キリストは神を讃えよ!とは言ったがオレも同じように讃えろ!とは言わないから誕生日も復活祭も祝わないし磔にされた時に背負った十字架も教会に置かない。自分たちの信仰対象はイエスが尊敬してやまなかった神(ヤーヴェ)でしかない!。なるほど・・。そう言われてみればそんな気がしないでもない。

だったらアーミッシュみたいに近代文明を丸ごと否定すれば良いのでは?と思ったが、まあそんな事言ったら信者数は今の数百万人から3桁くらいまで減りそうだから折り合いをつけざるをえないのだろう。それで(この教団に入る気はないけれど)INGの教義でも・・と思ってウェブサイトを開いたら奇妙なものが目に入ったのだ。





この教団の紋章である(上の写真の左半分)。会社なり団体なり社章と言うのは自分たちのスタンスを一番正確に表しているものなのだが、イタリアの国旗みたいに赤緑白の三色ベースに太陽光線、そして中央にはユダヤ教の律法と聖書の上に座る仔羊(キリストを意味するらしい)が描かれているのだが、その上に描かれた天秤を抱えた大きなコンパスと逆三角形に目が留まったのだ。

コンパスはフリーメイソンのトレードマークである(上の写真の右半分)。ご存じの通りフリーメイソンとは近代に勃興した商工人とテクノクラートたちの秘密結社で、人間の思考をがんじがらめに縛ってきた中世教会の教条主義に対しアンチテーゼを唱えているのだ。だからINGのような宗教原理主義とは本質的に相反する存在であり、現にカトリック、正教、プロテスタントはフリーメイソン加入は背教的行為と非難してきたのである。

それと逆三角形である。これには神の下では誰もが平等という意味合いがあるそうだが、素人目に見てもコンパスと逆三角形の組み合わせはダビデの星を意図的に描いていることは明らかだろう。ただ前述の通りイエス・キリスト本人はあくまでユダヤ教の範疇を出ていなかったそうだから、贔屓目に見れば正鵠を得ているとも言える。





なぜキリスト教にお株を奪われたユダヤ教と、キリスト教会(特にカトリック)の硬直性を嫌ったフリーメイソンの象徴をキリスト教分派のINGは用いているのか? プロテスタントの教義や歴史にしっかり学ばれた方ならこの奇妙な取り合わせを小難しい理屈で説明できるのかもしれないが、鞭で単純な筆者は別の答へたどり着いてしまうのだ。

カトリック教会に対する徹底的な否定と深い怨嗟である。まあINGは設立当時からカトリック教会に異端視され迫害されて来たそうだから、そういう心境になるのは理解できるし、だからこそカトリック的な要素が紋章の中から何もかもすっぽり抜け落ちてしまったのだろう。

でも・・。それとここから先は筆者の妄想だが、表向きは(あくまでもユダヤ教の範疇にいた)イエス・キリストをベースにしているが、本音はユダヤ教とフリーメイソンを混ぜ合わせた反キリスト教団体なんじゃないの・・と思えてきたのだ。INGの最終目的ってキリスト教の破壊なんじゃねえの?という一言が脳裏をよぎったが、これって考えすぎだろうか?






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