清真料理との再会

中国四大料理と聞くと北京、上海、四川、広東を思い浮かべるが、この感覚で中国人と話していると偉く恥をかくことになる。なぜなら中国人たちは上海料理をマトモな料理とは見なしていないし、北京料理は素晴らしい!などと言おうものなら「君は宮廷料理と中国北部の粗野な料理を混同してないかい?」と指摘されるからだ。

上海料理とは長江が流れる地域の料理を寄せ集めて忙しい商売人向けにファストフード化したものであり、北京料理も前述の通り満州族とモンゴル族の影響が強い野蛮な料理だと言うのだ。それで「じゃあ四大料理の栄誉に輝けるのは一体どこなのか」?と彼らに聞くと、キミキミそれはだね四川と広東と・・とここまでは皆一致するのだが、その後の二つは案外とバラバラである。

潮州料理に湖南料理、山東料理と福建料理、あとはその方の出自によっては客家料理なんて珍品の名も挙がるのだが、筆者にとって潮州料理は文句無しに横綱級だが他の料理は「いまいちだなあ・・」という感がぬぐえない。それにアンタ達もう一つ大事な料理を忘れていませんか?とついつい言いかえしてしまうのだ。

清真料理である(日本では中国西北料理と呼ぶらしい)。中国の地図を広げていただくと新疆ウイグル自治区とか甘粛省、青海省の言うのが左上に見つかるが(タクラマカン砂漠とかカシュガルで有名なエリアのことね)、このラクダと砂漠と石油掘削井しか無さそうな一帯にはイスラム教徒のトルコ系人種が数多く住んでいて、清真料理とは彼らのソウルフードなのだ。





よく料理は色んな文化が交わったほうが美味いとか、昔からの交易が盛んな地方が美味いと言われるけど、この中国西北地域は長年ローマ帝国から中東を経て中華帝国へと通じる一代通商路上にあるため美食の条件にピッタリとあてはまるのだ。トルコ料理と中華料理が中東のスパイスで混ざり合ったとなれば、これはもう清真料理が不味いはずがない。

今までタイ人がさんざ馬鹿にして来たイサーン料理(ラオス系住民が多く住む東北部地方の料理)がここ10年ほど注目を集めているように、あんなイスラム教徒の料理なんか食えるか!とバカにしていた香港人の間でも清真料理は徐々に人気が出はじめ、筆者が住んでいたコーズウェイベイにもポツポツと出店しはじめたので良く女房と一緒に食べに行っていたのだ。

ただ本格的な清真料理となると当時はまだ市場性が追い付かず、加えて家賃がべらぼうに高い香港では客回転が速い蘭州手延べ麺(甘粛省の名物ファストフード)がメインなってしまい、羊肉の串焼きとか色んな材料を混ぜ込んだワンタンや餃子、それにスパイスの効いた牛肉の煮込み類なんかはサイドメニュー扱いなんだけど、ウェイトレスの白い眼を気にせずこれらを肴にビールを飲み飲み長っ尻を決めこむのが楽しみだったのだ。

しかしそうは言ってもマイナー料理ゆえ中国文化圏以外でこの料理を見かけることは稀で、特にフィリピンでは清真料理どころかマトモな中華料理も味わえないから完全に諦めていたのだが、先日アニュアルリポートを申請した帰りに運転手役の従兄弟ジェンが「最近見つけた美味い中華料理屋があるんだ」と言うのでついて行ったところ・・巡り合えたのだ。





その店はオルティガスのショッピングセンターにあるフードコートに毛が生えたようなところで、一見してこれは駄目だ・・と思ったのだが、メニューを見たところ清真料理の名物である蘭州手延べ麺やスパイスの効いた肉の盛り合わせなどが置いてあるではないか・・。それで大喜びした筆者ら夫妻はあれもこれもと頼んだのだが・・。

・・・で終わってるように全体的な評価は5段階評価で2の上か中くらいで、特に手延べ麺はスパイスの種類と量が圧倒的に少ないため胡椒を大量にぶっかけてもまだ足りないくらい間の抜けた味だったのだけれども、しかし前菜の5種盛り合わせのうち1品だけはなかなかイケたのである。

「ああ!懐かしいわね!この味!」と小皿の中を突く筆者ら夫妻。しかし何といっても前菜の一品だから当然そんなの2口くらいで無くなるわけで、早速ボーイに「この1種類の肉だけ持ってこい!」と言ったが、「それは出来ません、サー」と言うので仕方なく前菜をもう一品頼んだのである。

前菜の皿の底に貯まった肉汁とソースに他の料理をナビって食う、さらに間の抜けた味の麺にぶっかけて食う。なんか戦後の欠食児童みたいだけど、本当に久しぶりに懐かしいモノを食べたなあ・・と胸いっぱいになってしまう筆者ら夫妻。だけど・・、砂埃がたつ路上でラクダを引いているウイグル人のオヤジの方がフィリピンに住む自分よりも実は美味いものを食っていた・・。こういう醜い現実を再認識させた一日でした、はい。






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カレーBEE

筆者の女房に「タイ旅行中一番美味いメシは何だった?」と聞いたら「MBKセンターで食べたCOCO壱番屋のカツカレー!」と答えるほどのカレー好きである。ちなみに日本に行けば懐石とか寿司なんかも喜んで食うけれども、昼飯は週に3回はココイチで済ませていて、和歌山なり鹿児島なり新しい町に移動すると真っ先に探すのはココイチ店舗があるかどうかなのだ。

フィリピン人と親しく付き合った方ならよくご存じの通り、フィリピン人が好きなファストフード系日本料理はラーメンで、辛いものが苦手な彼らにとってカレーはかなりマイナーな存在なのだが、女房の嗜好が変わった理由は香港に住んでいた頃に筆者に連れられてしょっちゅうカレー屋に通っていたからである。

その店は香港コーズウェイベイのワールドトレードセンター裏にあるカレーBEEという店で、筆者はこの店から歩いて1分の距離に住んでいたのと、調理場からウェイトレスまでこの店の店員は全員ともフィリピン人だったため、平日の昼間一人で食事がてら女房は無駄話を堪能することが出来たのだ。

この店がオープンしたのは香港返還を直前に控えた1996年頃で、当時日本料理がそれほど一般的でなかったから寿司や刺身でなければ商売にならない頃であり、実際すぐ近くにあった麺太郎という実に美味いラーメン屋などたった1年で閉店に追い込まれたというのに、カレーBEEは手ごろな値段と幅広いメニューを武器にしぶとく生き残り続けるのだ。





この店の開店当時の常連は筆者のような単身赴任の日本人駐在員ばかりだったのだが、やがて本業のカレーよりも味噌ラーメンや焼きそば、冷やし蕎麦からサバ塩焼き定食といったB級グルメに釣られた香港人がぽつぽつ店を訪れるようになり、筆者が香港を去った4年前には常時香港人のカップルで溢れるほどになっていた。

「まさかあの人の店がこんなに成功するとは思わんかっよ」というのが香港でレストランを営む同業者たちの弁だ。そう、実はこの店を立ち上げたのは60過ぎの日本人の爺さんで、この方は専門商社の香港駐在員だったという前歴からも判る通り実は飲食店経営は全くのド素人だったのだ。

ちなみにこの爺さんは「胡蝶」というフィリピンパブも併せて経営していたのだが、こっちは素人ぶりが露呈して2年とたたずに店を閉じる結果になったのだけれども、カレー屋の方は誰もが驚くほどの大成功・・。それでみんな変だ変だと言っていたのだが、実は成功の秘訣を店員から聞き出したのは筆者の女房である。マネージャーが凄くやり手だったのだ。

このマネージャー、もともとはフィリピン人のホステスで、駐在員として通っていた爺さんに色仕掛けで接近して直ぐに懇ろになり即妊娠。それに爺さんはちょうど定年退職を迎えたのを契機に日本の家族を打ち捨てて退職金とそれまでの蓄えを元手にこのフィリピン人ホステスと新人生をスタートしたのだ。





前述の通り爺さんが主幹のフィリピンパブは直ぐにつぶれたが、一方のカレー屋は愛人の妹やら弟、従兄弟たちが店員として入り込み、通常このパターンだと一気に潰れるコース一直線のはずなのに、この愛人(マネージャー)はものすご~く気が強い女で、妹だろうが雇われ掃除婦だろうが平等にとてつもなく安い給料で鬼の様にこき使ったのである。

それは爺さんに対しても全く同じであり、いちおう名目上はマネージング・ディレクター(代表取締役)なんて地位にいるけれども、店のコップ一つ購入する権限どころか連日満員御礼なのに1セントたりとも配当が与えられることはついぞ無く、時たま店を訪れる以外は家で小さい子供の世話をし続け、そして十年ほど前にその人生を終えたのだ。

そして爺さんの甥っ子だかの日本人との相続でのゴタゴタ発生とコーズウェイベイそごう支店の分離独立騒ぎを繰り広げる、リーマンショックやら競合日本料理店の進出で競争激化、路面店の家賃のハイパー沸騰など数々の危機を迎えたのもかかわらずカレーBEEはしぶとく生き残り続けたのだ。

そしてである・・。つい先ほどネットで調べたらなんとカレーBEEも一昨年マニラ・パサイに出店していたことが判ったのである。あの鬼嫁は母国に錦を飾るまでになりやがったのか!と快哉を叫んだが、その一方で気の毒な爺さんの姿が脳裏に浮かびあがった。爺さんへの配当はこれに化けたって事なら爺さんも草葉の陰で喜んで・・・いや、多分ないだろうな。






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香港では超有名店で食すなかれ

香港に駐在していた時に友人知人がプライベートで遊びに来るたびに一番困ったのは世界的に知られた有名レストランに連れてってくれ!と言われる事であった。あんた香港に住んでるんだから福臨門や新同楽とかしょっちゅう行ってるんでしょ!アタシがお金払うからいいじゃないの!予約しといてよ!などと言われるのである。

しかし筆者が予約するのはスーパースターとかジェイドガーデンと言った評判の良いチェーン店か、小汚くて客でいっぱいだけど味は保証付きの九龍城の海鮮料理店で、こういう店の看板を見たとたんに「なによ!こんな店!」と怒りだされることは必至なのだが、それでも筆者は彼らを超有名店には連れて行かないのである。

理由は不味いからだ。いや、正確にはこれら有名店は香港の著名人や外国の賓客から絶賛される料理を提供しているのは事実なのだけれども、こういう店でその素晴らしい料理にありつけるのは本当に限られた人間だけであり、例え邦銀や大手商社の香港支店長であろうとも彼等だけで店を訪れた場合はグルメをうならせる絶品料理は出てこないのだ。





ちなみに筆者が働いていたのは香港と深センに万単位の工員を雇っている大手メーカーで、筆者はよく上司のカバン持ちで福臨門という香港屈指のレストランへ通っていたのだが、ある時筆者の顧客チャウ氏と一緒にこの福臨門レストランに行ったところ、これは同じ店なのか!と思うほど素晴らしい料理が出てきたのである。

それでその事をチャウ氏に聞いたところ「それは作った料理人が違うんだよ」と事も無げに言う。つまり日本の料亭の様に福臨門にも花板から一番、二番板という料理人の階級があって、チャウ氏は「アンタはいつも一番下の方の料理人が作ったものだけ食わされてるのよ」と笑いながら言ったのだ。

ちなみにチャウ氏がオーナーを務める会社は筆者の会社の千分の一規模ほどの規模しか無いし、福臨門で払ってきた費用だって筆者のいた会社の方がウン十倍も多いはずだ。にも関わらずチャウ氏の方が店から大事にされているとは「こりゃ一体どういうことなのか?」と煙に包まれてしまったが、客と一緒にいろんなレストランに行き続けるうちにカラクリが判って来たのだ。





他の国もそうだろうが香港のレストラン業界ではオーナーシェフというのはごくごく稀であり、ほとんどの店、特に市内の目抜き通りにある店はほぼすべてが出資組合、それも普段はテキスタイル業やプラスチック射出成型業など全くの畑違いの商売人たちが共同で出資し、信頼できる料理人やウェイターに店を任せるという形態なのだ。

なおこの任せるというのは給料制で雇われるという意味ではなく、営業利益の25%を特別報酬で貰える、或いは株式の15%を所有するというようにオーナーの一員になるという意味である。料理人の究極の目標は自分の店を持つことかもしれないが、繁華街の一等地に店を構えるだけの膨大な資金は自分では賄えないから、多くの香港人はこの「総支配人兼マイナー株主」を当面の目標にするのだ。

香港で最も評判の高い店には1億円や2億円をポンと出せる企業家が溢れるほど来る。だから頭の回るウェイターや腕の良い料理人たちはこういった出資者を見つけるのに必至であり、店を訪れるいろんな客と話しながら自分に出資してくれる財力があるかどうかも同時に見極めているのである。





そんなところへ日本の大企業の支店長様が来ても、ポケットからひねくり出せる金額はたかが知れているのだし、例えマーテルのXOを10本開けようが野心溢れる店員には何のメリットも無いわけだから、注文をキッチンに伝える際には「おい、あの16番テーブルの日本人向けの料理だけどな、先月入ったばかりのヤンに作らせとけ!」でお終いなのだ。

そこへ月一回で来る日本企業のマネージャーとか団体ツアーで来た日本人が入れば、一体どんな料理が出てくるのかはご想像の通りである。しかも料金は花板だろうが見習いヤンだろうが同じだから、期待が大きい分裏切られた感じは生半可なモノじゃなく、これはもう金をドブに捨てるのと同じなわけですよ。

もちろんどうしても花板は無理でも一番二番板あたりが作った料理を食べたいのなら、その店のオーナーの友人で店の常連さんと一緒に行くとか、日本の料理雑誌の取材チームの名で予約する、あるいは自分は名古屋のパチンコ屋の社長で香港に店を出したいのだ・・などと名乗り出る手もあるだろうが、筆者は単なるメシのためにそこまでやる気はない。





なお一番最初に書いたスーパースターやジェイドガーデンといったチェーン店の客は味にうるさい香港人で溢れているし、客もほとんどがサラリーマンや近所の零細商店の店主、それとそこらへんのオッちゃんオバちゃんに中流家庭の家族連ればかりだから、ウェイターたちは彼らに期待するのはせいぜいチップくらいなのである。

そこで筆者は毎回100とか200香港ドル(1.5~3千円)をお勘定の際にでっぷり太ったウェイター長や割と年かさのウェイトレスにねじ込むようにしたところ、次の回からはこのウェイトレスが毎回筆者のテーブルを担当する様になり、出て来る料理も目に見えて変わってきたのだ(ただしアルバイト店員は店内政治力が無いから幾ら渡そうが無意味である)。

「いやあ、この店最初見た時はどうしようかと思ったけど、食べてみたらえらく美味しかったわ!」というのが筆者が案内した客たちの弁。当たり前だ!オレは今までどれほど不味いモノを食わされてきたのか判ってんのか!という思いは口に出さずに「香港はB級グルメが美味いんだよ」と言うと相手も満足する。まあ正確には俺たちの財力じゃB級しか美味くないんだけどね。





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不味いモツ煮を美味く変える方法

筆者は子供の頃から刺身が好きで、昼飯を食えば刺身定食!、居酒屋に行けば何はともあれ刺身盛り合わせ!を頼む人間だったが、齢四十を超えてから刺身に代わって酒の友の定番になったのは冷奴と湯豆腐、そしてモツ煮である。

特にモツ煮については色んな店で食って来たおかげでやれ豚モツより牛モツだとか、上野の某名店の煮込みは馬が入ってるからダメだ・・などと色々煩くなって来たのだが、かなり出来が悪いモツ煮に当たってしまった場合でもある事をすれば劇的に味が好転する事をこの場でご紹介したいと思う。

それは胡椒をちょっとビックリするくらい大量にぶち込むのである。この大量と言うのは何度も振り掛けました!なんてレベルじゃ無くて、SB食品のテーブル胡椒の小瓶の最低でも1/10、出来れば1/4くらいモツ煮小皿に振り掛けてかき混ぜるのである。





実はこれ一時期筆者の上司だったMから聞いた話で、この男は昔から馬肉、とくに馬の内臓料理が名産な日本のチベット生まれの辺境民で、内臓料理煮は胡椒をぶちまけて食べるのが俺の村の流儀なんだ!と言い出すや、せっかく頼んだモツ煮に胡椒を大量に混ぜ始めたのだ。

こんなもん食えるか!とその時は思ったが、このMは辺境山岳民族特有の陰湿な性格でつとに知られた男であり、つまらぬミスを見つけては部下の査定評価を落とす事に無上の喜びを感じるような野郎だったから、たかが胡椒くらいで人生誤る訳にもいかない。

それで仕方なく一口だけ口に含んでみたところ、予想通り胡椒の強烈なインパクトは直ぐに襲って来たのだけれど・・、その潮が引けた後にモツの旨味が濃縮された感じとなり、それが口の中に膨らんでいくのが直ぐに感じ取れた。





なにこれ?旨いじゃん!と言ってモツ煮にパクつく同席の同僚たち。そう、香港のありきたりな居酒屋のモツ煮なんてたかが知れたものなのに、なぜか月島の某有名立ち飲み屋の煮込みを食った時みたいにみんな箸が止まらなくなり、慌ててもう一品二品と追加してしまったのである。

このMはチンパンジーに毛が生えた程度の知能しかない男だったが、この胡椒たっぷりのモツ煮だけはこいつが皆の役に立った唯一のケースで、今でも大して美味くないモツ煮に当たった時は「おい!胡椒!」の一言とともに、陰険な顔つきのチンパンジーが美味そうに餌を食っている光景が頭に浮かぶのだ。

さてマニラの居酒屋なぞろくなモツ煮が出るわけ無いから、これを読んだ皆さんは騙されたと思ってこの胡椒たっぷりモツ煮にトライしてもらいたい。ただしMは胡椒の取りすぎが原因でひどい痔主となり、モツ煮を食った翌日には毎回座薬のお世話になっていたので、痔主さんは十分お気をつけ下さい。






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イカスミ焼きそばが恋しい

香港に住んでいたころ筆者ら夫婦で一時期ちょっとしたマイブームだったのが沖縄料理店であった。そこは自宅から歩いて数分の距離にあった「えん」という店で、もともと南国&黒潮文化圏という共通点からかここ供される料理はフィリピン人の味覚にも何となく合ったのである。

美味しいわね!この豚肉の煮込みってなんて名前なの!と次々質問してくる女房の友人たち。今まで色んな日本料理店で食べてきた義妹(当時香港にいた)も一番のお気に入りはこの沖縄料理店だったくらいである。

なかでも全てのフィリピン人から絶賛されたのがイカスミ焼きそばで、この店はスミを麺に練りこんである真っ黒い麺タイプなのだけれど、その芳醇なスミの味とイカの旨味、そして豚肉の脂分から滲み出る甘いコク、そしてニラのワイルドさがマッチして何とも絶妙な味だったのである。





それで週末にランチに行くと4人それぞれが定食を頼んだ上にイカスミ焼きそばをアラカルトで頼むのだが、みんな手持ちの料理よりも焼きそばを食いたがる為あれよあれよと言う間に二皿追加!となってしまう、それほど人気のメニューであった。

筆者の中ではシンガポールの福建蝦麺こそが世界最高のフライドヌードルで、この沖縄料理料理店のイカスミ焼きそばはそれに次ぐ位置を占めていたのだけど、残念な事に3年前にフィリピンに移住してからはしばらくご無沙汰になってしまったのだ。。

しかし3日前沖縄に来てからというもの筆者ら夫妻の脳裏を占めているのはあの懐かしいイカスミ焼きそば・・。なんたってここは本場なのだからこれはもう脳がぶっ飛ぶくらい美味い本物に出会えるに違いない!。それで店を選ぶ時はちゃんとメニューにお目当もものがあるかどうかをちゃんと確認してから入るようにしているのだ。





ところがこれ完全に目算が外れてしまったのだ。うちの店はイカスミ焼きそばが自慢で!なんてところに限ってちっとも美味くないのである。香港の店のようにスミとイカの身と脂とニラが思いっきり格闘しているような荒々しさが全く無い小さくまとまりすぎた味なのである。

一体どうしてこんな事が?と思ったが、実はワタシが香港で食べた・・と店員に聞いたってまともに取り合ってくれるはずは無い。それで仕方なく石垣島とか久米島など別の島系の料理店行ってイカスミ焼きそばを〆に食べているのだが、食べれば食べるほど失望感が広がるだけだ。

なぜ香港の「えん」はイカスミ焼きそばだけ沖縄風とは違う味付けにしていたのか?ひょっとして焼きそばは中華料理にも似たものが多いからなのだろうか?それともスミを麺に練り込むと味が変わるのか?等々疑念は尽きない。でももう一度「えん」の焼きそばを食いたいなぁ、あれは実に美味かったな。





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