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生まれつきナマケモノの中年オヤジです。
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幽霊の出る部屋滞在記
2013/11/04 01:25:27 |
オカルト系 |
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筆者は幽霊話は大好きなのだが、幽霊を見たことは大学生の時に一度だけしかない霊感オンチな人間である。しかし11月1日の夜に幽霊が出ると大勢の人が証言している部屋に泊まらされてしまい、ちょっと変な経験をしたのである。ただし前述のように霊感オンチなので幽霊話としては全然面白くないことは御了解いただきたい。
一族全員での墓参りをした後はフィリピン恒例の一家揚げての宴会となり、いつもの通り酩酊するまで酔っぱらった筆者は女房の従妹の家の空いている部屋(香港にいる叔母ルーシー専用)に宿泊することになった。この部屋だけが唯一エアコンがあるからである。女房はまだおしゃべりしたいというので筆者だけ先に部屋に入ったのだが、ドアを開けて中に入るとなんともイヤ~な感じが体の中を駆け抜けた。背中がドヨーンと重くなるような感じとでもいうのか。ただしその時は酔っぱらっていたし急にエアコンのついた部屋に入ったせいだと思ったので、あまりに気にせずにすぐにベッドに潜り込んでしまった。
異変を感じたのは深夜1時ごろである。体の上に誰かが乗っかって胸をギューギュー押しつけているような感じで目が覚めた。なんだこれは?息が苦しいぞ・・。ベッドから上半身を起こして周りを見回すと女房は隣でスヤスヤ寝ていた。なんだ女房が俺の上に乗っかってたのか・・・と思って体を横にねじった時に、首の後ろ(延髄?)のあたりにズブッと何か生暖かい棒にようなものが入り込んだ感じがした。アッ!と思ったが棒状のものは首から背中に向かってズブズブズブ~とゆっくりと入り込んでいく。その時にこの部屋は幽霊がいるんだ・・と分かった。
実は筆者はポーランドのホテルでこれと同じ経験をしたことがあるのだ。ワルシャワ市東部の大きな河を超えた場所にあるIBISは客のオフィスから近いという理由で予約した安ホテルなのだが、一緒に出張した何人もの同僚たちが幽霊を見ているいわくつきのホテルなのである。「俺は顔の無い女を廊下で見たぞ」「白いブラウスを着た女が部屋にいるのを見た」と視覚体験をした同僚たちと違い、筆者は「首からズブズブ」という感覚的な体験なため同僚たちからは一段下の体験に見られたのは悔しかったが、とにかくワルシャワの幽霊ホテルで異常な体験をしたのである。これと同じ体験をまさか女房の故郷で経験するとは・・・。
背中に何かが入った感じがずっと取れず、眠ると何者かに体ごと飲み込まれてしまうような気がしたので、結局筆者は朝まで一睡もする事が出来なかった。さて朝8時ごろに女房の目が覚めたので、女房に「この部屋は幽霊がいるだろ!」と単刀直入に切り出すと、エッ?どうして?と何やらドギマギした反応を示した後で「実はそうなのよ」とあっさりと認めた。この部屋は一族全員が認めるところの「幽霊の出る部屋」で、女房が子供のころから誰もこの部屋に住みたがらず、ずっと客専用として使われていたというのだ。いくら俺がエアコン無しでは眠れないとはいえ、こんな開かずの間みたいな部屋に泊めやがって・・。
「でもね!この部屋にいる幽霊は悪事はしないんだって霊能者が言ってたのよ」と女房は筆者を安心させるようなことを言うが、お前の祖母と従妹2人は1年前にこの家から出ていってしまったし、今もこの家に住んでる叔父と叔母は一人が精神分裂病、もう一人は2年前に脳梗塞でぶっ倒れているのである。どうも部屋に住んでいた幽霊は祟りをもたらすようになってきたようだが、肝心の親戚一同は霊能者の言う事を信じきっているようだ。やがて朝の用事を済ませてこの家を出る時に分裂症の叔父が「グッドモーニング♪♪じっくり眠れたかい?今度来る時も是非ともウチに宿泊してくれよ♪」と陽気な口調で筆者に言ったが、お言葉だけありがたく頂戴することにして早々にこの家から逃げ出した次第である。
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